ここ数ヶ月の間に芸能人の自殺報道を目にする機会が増えました。7月18日三浦春馬さんの自殺報道、9月14日には芦名星さんの自殺報道、そして、9月27日女優の竹内結子さんが自宅で亡くなっていることが報道されました。
芸能人の悲しいニュースが多くなっているのをウェルテル効果ではないか?との見方もあります。
今回は、ウェルテル効果とは何か?過去の事例も含めて解説していきます。
目次
芸能人の自殺報道が増えた理由はウェルテル効果?
ウェルテル効果とは、マスメディアの自殺報道により、自殺が増えることを意味します。
影響力のある芸能人などの自殺報道に影響をされ、自殺者が増えてしまう現象で、特に若年層が影響を受けやすいとされ、実在人物だけでなく、小説などの架空の人物の自殺でも影響する可能性があると言われています。
ウェルテル効果(ウェルテルこうか、英: Werther effect, 独: Werther-effekt)とは、マスメディアの自殺報道に影響されて自殺が増える事象を指し、これを実証した社会学者のディヴィッド・フィリップス(David P. Phillips)により命名された。特に若年層が影響を受けやすいとされる。
「ウェルテル」は、ゲーテ著の『若きウェルテルの悩み』(1774年)に由来する。本作の主人公、ウェルテルは最終的に自殺をするが、これに影響された若者達が彼と同じ方法で自殺した事象を起源とする。なお、これが原因となり、いくつかの国家でこの本は発禁処分となった。ただし、実在の人物のみならず、小説などによるフィクションの自殺も「ウェルテル効果」を起こすか否かについては諸説分かれている。
ウェルテル効果の過去の事例 X JAPANのHIDEなど
最近では、三浦春馬さんの自殺が大きく取り上げられていますが、過去にも日本ではマスメディアの自殺報道によるウェルテル効果が社会問題になったりしました。
岡田有希子 (1986年)飛び降り自殺
当時ポスト松田聖子と言われたアイドルの岡田有希子さんは所属事務所のサンミュージックのビルから飛び降り自殺。
その後、ファンが岡田有希子さんと同じ飛び降り自殺が相次ぎ、その影響は1年間続いたとされています。青少年の自殺率が3割増加。
X JAPAN HIDE (1998年)
1997年X JAPAN解散後、メンバーのHIDEが首吊り自殺。当時驚異的な人気を誇っていた伝説のバンドのメンバーが自殺したため、その影響力も大きく、遺体が安置された築地本願寺境内で後追い自殺をするファンが相次いだ。
X JAPANのメンバーが後追い自殺を思いとどまるように会見を開くまでの社会問題へと発展。
上原美優 (2011年)
10人兄弟の貧乏アイドルとしてブレイクした女性タレントの上原美優さんが、首吊り自殺。死亡する1年ほど前に、心の支えだった母の死があり、亡くなる直前のブログには恋愛についての悩みを告白し、精神的に追い込まれていた様子だった。20代〜30代の女性の自殺率が増加。
芸能人の自殺以外にもあるファンの後追い自殺
芸能人の自殺報道以外にも、マスメディアのショッキングな報道に影響を受け、ファンが自殺するケースは少なくない。
野猿の解散(2001年)
とんねるずの2人を中心としたグループ「野猿(やえん)」が2001年に解散し、当時熱狂的ファンだった福岡県の女子高生二人組が自殺。野猿のコンサートを見るために上京し、ライブ終わりに東京都内のマンションから投身。生前「野猿が解散するなら自殺する」と話していたことが話題になりました。
人気YouTuberアバンティーズのエイジ事故死(2019年)