日本商工会議所の調査で、男性の育児休暇義務化について約7割の中小企業が反対であることがわかりました。中小企業が育休の義務化に反対している理由や、男性の育児休暇の平均期間や休暇中の給与や給付金について調べてみました。
男性が育児休暇を取ることのメリットについてまとめています。
目次
中小企業の7割が男性の育児休暇義務化に反対。その理由は?
男性の育休義務化に反対する企業の理由としては、
- 人手不足
- 独身の労働者へのしわ寄せ
- 子育ては女性の仕事
- 育休を取られると会社が潰れてしまう
などがありました。育休を「義務化」しないといけないほど、日本人の男性の子育てに関する意識はまだ低いと言えるのかもしれません。
これに対し、社会が出産や育児ができるような設計になっていなかったつけが回って来ているという日本の社会問題や、男性に育休を取られたら会社が回らないような企業の経営陣に問題がある。という指摘がみられました。
男性の育児休暇中の給与・収入は?【育児休業給付金】
育休中は無給となることが多いですが、休業前の月収の6割を負担する「育児休業給付金」が雇用保険から支給されます。
また、社会保険料の免除、税金の減額もあります。
育児休業給付金の受給資格は、育児休業を開始した日前2年間に被保険者期間が12か月以上必要です。
正確な金額はハローワークにご提出いただく雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書により、休業開始時賃金日額が確定し、算出されますが、1支給単位期間において、育児休業期間を対象とした賃金の支払いがない場合の支給額は、育児休業開始前6か月間の総支給額により、概ね以下のとおりです。
・平均して月額15万円程度の場合、育児休業開始から6か月間の支給額は月額10万円程度、6か月経過後の支給額は月額7,5万円程度
・平均して月額20万円程度の場合、育児休業開始から6か月間の支給額は月額13,4万円程度、6か月経過後の支給額は月額10万円程度
・平均して月額30万円程度の場合、育児休業開始から6か月間の支給額は月額20,1万円程度、6か月経過後の支給額は月額15万円程度
厚生労働省:育児休業給付Q&A
男性の育児休暇の平均期間はどのくらい?
令和元年の7月に厚生労働省が出されたデータによると、男性の育児休暇は5日未満が56.9%と一番多くなっており、1年半以上育児休暇を取る男性は0%となっていました。
育児休暇を5日とったところで、すこし長めの連休と変わらないのではないか?
短すぎる育児休暇では育児休暇の意味があまりないような感じもしますね。
また、男性の育児休暇の取得率は上昇してはいますが、まだ女性に比べると圧倒的に低い取得率です。
男性の育児休暇取得のメリットが大きいのに育児休暇取得率が低い理由は?
男性の育児休暇がまだまだ日本では社会的に浸透していない状況ですが、男性の育児休暇の取得にはメリットがたくさんあります。
- 男性の育児に対する理解が高まる
- 自分のライフスタイルや働き方を見直すきっかけになる
- 仕事の進め方などを職場が見直すようになる
- 仕事を引き継いだ人の能力が上がる
- 仕事に効率的に取り組むようになる
- 会社の満足度が上がる
など、育児休暇を取得した人や家族だけでなく、育児休暇の制度を取り入れる企業に取ってもメリットがあります。
しかし、男性の育児休暇があまり広まっていないのには、やはり会社の育児休業制度が整備されていない、職場が育休の制度を理解していない、職場の人手不足などの理由が挙げられます。
やはり、職場の環境や、社会的にまだ育児休暇が取りやすい環境ではないというところが問題ですね。