日本国内でも次々と感染者が報道されている新型コロナウイルスですが、3月9日横浜市立大学の研究グループが、患者の血清からウイルス抗体検出に成功したことを発表しました。検査の時間は15分〜30分程度で、特別な装置を用いることなく検査できるとのことです。短時間で判定できるののはありがたいですね。
目次
新型コロナウイルスの検査法とはどんなもの?PCR法とは
コロナウイルスの診断方法には、核酸増幅法(PCR法など)があります。
PCR法とは、遺伝子検査の一つで、遺伝子を見るために、増やしたい遺伝子のDNA配列にくっつくことができる短いDNA(プライマー)を用意し、酵素の働きと温度を上げ下げすることで、目的の遺伝子を増やす方法です。増えたDNAを染め出す特殊な装置に入れる事で、増えた遺伝子を目で確認する事ができます。検体の中に増やしたい遺伝子があれば増えて目で確認することができ“陽性”と判定されます。
これまでの新型コロナ検査は判定に時間がかかっていた
つまり、簡単に言うと、ウイルスの遺伝子を増幅させることで、ウイルスがあるかどうか確認するという方法いなります。
現在PCR法は新型コロナウイルスを検出するため、加熱と冷却を繰り返す作業が必要なので、1検体の解析に4〜6時間かかるとされています。
横浜市立大学が開発に成功した検査手法とはどんなもの?
横浜市立大学医学部の研究グループは、ウイルスに感染した際に作られる抗体が、血清の中に含まれるかどうかを調べることにより感染したかどうかを判別できるとしています。現在は2つの検査手法の研究が進められていて、15〜30分で判定できるとのことです。
感染した直後で体内に抗体が増えるまでは検査が難しい場合もありますが、新型コロナウイルスは感染した後の潜伏期間(平均5〜6日)が長いため、この検査手法が診断や治療法の選択に役立つことが期待できると梁明秀教授は話しています。
新型コロナ検査法開発に成功した横浜市立大学医学部梁明秀教授とはどんな人
梁明秀(りようあきひで)さんは横浜市立大学医学研究科の教授で、研究分野はウイルス学、実験病理学、生物系、主要診断学、泌尿器科学です。
過去の経歴
2016年度 – 2019年度: 横浜市立大学, 医学研究科, 教授
2015年度: 横浜市立大学, 大学院医学研究科, 教授
2012年度 – 2014年度: 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授
2009年度 – 2012年度: 横浜市立大学, 医学研究科, 教授
2010年度 – 2011年度: 横浜市立大学, 医学部, 教授
2009年度: 横浜市立大学, 医学部・微生物学, 教授
2008年度: 国立感染症研究所, グループ長
2008年度: 国立感染症研究所, エイズ研究センター, 第一研究グループ長
2008年度: 国立感染症研究所, エイズ研究センター第一研究グループ, グループ長
2007年度: 国立感染研究所, グループ長
2007年度: 横浜市立大学, 医学研究科, 准教授
2006年度: 横浜市立大学, 医学研究科, 準教授
2005年度: 横浜市立大学, 大学院・医学研究科, 助手
2005年度: 横浜市立大学, 大学院医学研究科, 助手
2004年度: 横浜市立大学, 医学部, 助手
2000年: ハーバード大学医学部研究員(Dr. Kun Ping Lu Lab. Beth Israel Deaconess Medical)
2000年: 東京医科歯科大学大学院医学系研究科修了(ウイルス制御学:山本直樹教授)
受賞歴
2006年 日本病理学会学術研究賞
2006年 横浜医学会賞
2003年 Special Fellow Award, Lukemia & Lymphoma Society, USA
梁明秀教授の研究室で行っている研究はどのようなもの?
梁明秀教授の研究室では、ウイルス学、分子細胞生物学、プロテオミクス、免疫学、病理学など、基礎科学の知識や方法論を結びつけることにより、ウイルス感染症、ガンなどの難治性疾患の病態解明や新規治療法の開発を目指した研究を行っています。
実用化されるのはいつ?
現在、横浜市立大学医学部の研究グループは、実用化に向けてさらに研究を進めている段階で、将来的には、インフルエンザのように検査キットを使って簡易的に検査ができるようになる可能性があるとのことです。
理研と神奈川衛生研究所が開発したSmartAmp(スマートアンプ)法
理化学研究所や神奈川県衛生研究所が開発した「SmartAmp(スマートアンプ)法」では、一定の温度で、より単純な行程で検出できるので、時間を短縮できます。
産総研と杏林製薬が開発したGeneSoC(ジーンソック)
産業技術総合研究所(産総研)と杏林製薬の研究チームも15分程度で診断ができる手法を開発しました。杏林製薬のリアルタイムPCR法に基づく遺伝子て医療装置のマイクロ流路型遺伝子停留装置「GeneSoC(ジーンソック」検査機器は小型で、すでに全国の主な研究施設に数十台ある。新たな技術を医療現場に導入し迅速に検査すれば、感染の疑いのある人をその場で検査し、隔離など適切な措置がとれるようになるという。
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